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ロシアのウクライナ侵攻からもうすぐ500日になる。戦争が長期化するなか、国際社会では都市やインフラの復興に向けた議論も始まりつつある。2023年6月19日には日本の復興庁とウクライナ地方・国土・インフラ発展省が、同国の復興に向けた覚書を締結した。英国では同21～22日にウクライナ復興会議が開催された。焦点の1つが、破壊された住まいの再建。現地の建築設計事務所が、興味深い取り組みを展開している。
戦争で破壊されたウクライナの農村部の住宅（写真：balbek bureau）
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屋根の形状や装飾などに特徴がある（写真：balbek bureau）
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首都キーウを拠点とするウクライナの建築設計事務所、balbek bureau（バルベックビューロー、以下バルベック）は、農村の伝統的な住宅を再建するのに役立つオンラインツール「RE:Ukraine Villages online constructor」を23年3月末に発表した。ブラウザー上で、3次元モデルを確認しながら仕様を選んでいくだけで、誰でも簡単に住宅の図面を作成できる無料サービスだ。
バルベックは「同盟国はウクライナの復興を支援してくれているが、農村部ではほとんどの世帯が、自ら再建を担わざるを得ない」と指摘。住人が自宅を再建したり、ウクライナの村落の伝統的なイメージを維持しつつ新たな住宅を建てたりする際に、このツールが役立つとしている。
バルベックは、国内外で建築やインテリアデザインの賞を獲得してきた設計事務所だ。22年2月24日にロシアの侵攻が始まってから約1カ月後には、居室やキッチンなどのモジュールを柔軟に組み合わせて仮設住宅を造る構想を発表。22年6月からキーウ州で住宅のデザイン要素を調査し、わずか半年ほどでこのオンラインツールを開発したという。
balbek bureauはキーウ州で住宅を調査した（写真：balbek bureau）
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左の人物が、バルベックの創設者であるスラバ・バルベック氏（写真：balbek bureau）
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記者も試しにプランを作成してみた。まずはプロジェクトのURL（https://villages.reukraine.org/）にアクセスし、「CREATE A HOUSE」というボタンをクリックする。すると、ウクライナの衛星画像が表示されるので、対象エリアを選ぶ。
23年6月22日時点で選べるのは調査が済んでいるキーウ州のみだが、隣接するチェルニヒウ州についても地元ボランティアの支援を受けて調査を進めており、近いうちに利用可能になる見込みだ。なお、ロシアの侵攻が始まる以前の衛星画像やGoogleストリートビューの写真を基に、占領された地域や被害の大きい地域におけるデータ収集・分析を担う技術パートナーも募集中だ。
「RE:Ukraine Villages online constructor」の画面。ウクライナの衛星画像から対象エリアを選ぶ（出所：balbek bureau）
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エリアを選んだら、床面積とプランを決める。床面積は55m2、67m2、83m2の3種類、プランは水回りやベランダの位置が異なる4種類から選べる。記者は面積67m2、キッチンがリビングに直結する間取りを選んだ。家にはベランダを通じて出入りするプランだ。続いて、屋根の形状を5種類の選択肢から選び、ベランダのサイズや開口部の位置、材質を決める。床面積が67m2の場合、ベランダは8m2のみ。材質は木材かレンガのいずれかだ。今回はレンガを選んだ。
床面積とプランを選ぶ（出所：balbek bureau）
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屋根の形状を選択する様子（出所：balbek bureau）
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June 23, 2023 at 03:00AM
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