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民間・公共を問わず、建築プロジェクトの延期や中止といった計画見直しが後を絶たない。急激な円安の進行などを背景に、建設費や資材価格の高騰が止まらないためだ。記者が取材した東京都内の事例を振り返ってみる。
2024年4月、東京・五反田の複合施設「TOCビル」の建て替え計画が延期となった。入居していたテナントの撤退や移転が、同年3月31日に完了したにもかかわらずだ。同ビルを運営するテーオーシーは、既存ビルにリニューアルを施して、24年9月ごろに賃貸事業を再開する予定だ。建て替えについては、新しい計画を作成して、33年ごろの着工を想定している。今から9年後だ。
公共プロジェクトでも工期の見直しを公表した案件がある。東京都江戸川区は23年12月、都営新宿線船堀駅前で建設を計画している新庁舎の工期を延長し、供用開始時期を当初予定の29年3月から31年1月まで2年ほどずらすと発表。約303億円を予定していた工事費が、590億円に膨らむことも明らかにした。現庁舎で最も古い建物は竣工から約60年が経過し、老朽化や陳腐化が課題となっていた。24年6月から実施設計に着手する予定だという。
完成から60年近くが経過した国立劇場(東京・千代田)も、建て替えを含む再整備を予定するが、事業者が決まらない。国や日本芸術文化振興会から成るプロジェクトチームが再整備計画を発表したのは20年。29年度末の再開場を目指していたが、2度にわたる事業者選定の入札が、不調・不落となった。日本芸術文化振興会は24年3月に有識者検討会を設置して検討を進めているが、次回の入札のめどは立っていない。
東京都心の各地で再開発事業が進む一方、計画の延期や見直しを公表するプロジェクトも増え始めた。発注者が描くプロジェクトの完成図と、コストをはじめとする現実との乖離(かいり)が無視できない状況になってきた現れだろう。
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May 24, 2024 at 03:00AM
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相次ぐ建築プロジェクトの中止や延期に学ぶ、計画見直しを進める3つの視点 - ITpro
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