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フォーカス建築

花重リノベーション(東京都台東区)

登録有形文化財を改修しカフェと屋外テラスを併設 発注:山陽エージェンシー 設計:MARU。architecture 施工:ヤマムラ、雄建工業、ビーファクトリー

全4241文字

霊園の傍らで150年以上続く老舗花店に、カフェを併設した改修計画だ。歴史を伝える既存建物を最大限生かしつつ、庭とテラスを新設。次代につながる建築を目指した。

「花重」を西側から見る。既存建物を改修した開放的なカフェと、庭に新設された立体的なテラス。路地から庭にかけて、建物のボリュームを拡張するように鉄骨のフレームを巡らせた。周囲には瓦屋根が続く谷中の街並みと、谷中霊園の緑が広がる(写真:吉田 誠)

「花重」を西側から見る。既存建物を改修した開放的なカフェと、庭に新設された立体的なテラス。路地から庭にかけて、建物のボリュームを拡張するように鉄骨のフレームを巡らせた。周囲には瓦屋根が続く谷中の街並みと、谷中霊園の緑が広がる(写真:吉田 誠)

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 東京都台東区の谷中霊園の入り口に、150年以上続いてきた生花店「花重(はなじゅう)」は立つ〔写真1〕。創業は明治3年(1870年)。明治10年(77年)竣工と伝わる伝統的な町家建築の店舗(以下、明治棟)は、国の登録有形文化財に登録されている。

〔写真1〕明治10年竣工と伝わる店舗

〔写真1〕明治10年竣工と伝わる店舗

谷中霊園に続く道路に面した正面外観。右の建物は、改修した登録有形文化財の店舗(明治棟)。左は庭へ続く路地の入り口。江戸時代の長屋だった建物を改修した(写真:吉田 誠)

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 表の通りから路地を抜けると、細長い敷地の奥に緑豊かな庭がぽっかりと現れる〔写真2〕。新設された屋外テラスが、時代を経て改修された4棟の建物群にそっと寄り添う。街に開かれた新たな居場所が生まれた。

〔写真2〕作業場を開放的な屋外空間に

〔写真2〕作業場を開放的な屋外空間に

江戸長屋部分の内部。花店の作業場として使われていたが、壁を取り払い半屋外空間とした。中央奥にテイクアウト用のカウンターを据えた(写真:吉田 誠)

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 花重は一時、廃業の危機に陥った。その際に、近隣地域で不動産事業などを手掛ける山陽エージェンシー(東京都台東区)が買い取り、保存活用のための調査と改修を経て、2023年7月にリニューアルオープンした〔写真3〕。

〔写真3〕テーブルを中心とした店舗空間

〔写真3〕テーブルを中心とした店舗空間

花店内部。以前の改修で覆われていた既存の柱や天井を現しにして生かした。中央に作業台を兼ねた大きなデザイナーズテーブルを造作した(写真:吉田 誠)

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 改修設計は、近所に事務所を構えるMARU。architecture(マルアーキテクチャー)(東京都台東区)が担当した。同事務所を共同主宰する高野洋平氏は、「敷地には江戸時代からの長い時間の積み重ねがあった。改修で、新旧の建物をはっきりと分けるのではなく、一体的に重なりあう建築を目指した。古いものを生かしつつ、先進的な素材や技術を使うことで、将来の変化も受け止め、使われ続けていく建築にしたいと考えた」と語る。

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November 24, 2023
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