スマートごみ箱、ＡＩ混雑予測…訪日客急増で オーバーツーリズム ... - 産経ニュース

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道頓堀エリアに設置が始まった「スマートごみ箱」＝１６日、大阪市中央区（田村慶子撮影）

インバウンド（訪日外国人客）が急回復する関西でオーバーツーリズム（観光公害）対策に乗り出す動きが相次いでいる。人手不足の課題もあるなか、カギとなっているのはデジタル技術の活用だ。道頓堀商店会やＪＴＢ、ＮＴＴコミュニケーションズなどは１６日、大阪・道頓堀で課題となっているごみ問題の解決に向け、ＩＣＴ（情報通信技術）を活かした「スマートごみ箱」の設置を始めた。

国内外の観光客でにぎわう大阪・道頓堀にＩＣＴを活かした次世代型ごみ箱が１０カ所に設置された。ごみが一定量たまるとセンサーが作動して自動で圧縮するため、同じサイズのごみ箱と比べ６倍の量を蓄積することができ、回収事業者の負担軽減につながる。さらに蓄積量を遠隔地からスマートフォンで把握できるため、最適のタイミングでの回収も可能になるという。

道頓堀はたこ焼きなど食べ歩きグルメの多さが魅力の半面、近年はポイ捨てによるごみ問題が深刻化していた。道頓堀商店会の上山勝也会長は「ごみがごみを呼ぶ構図になっていて、長年頭を悩ませてきた課題だった」といい、ごみ箱の設置を通じて「きれいになった道頓堀を大阪・関西万博に向けて世界へもアピールしたい」と話す。

ごみ箱には将来的にセンサーやカメラを付属し、エリア内の人流解析や防犯対策にも役立てる方針で「テロ防止にもつながる」（担当者）と期待する。

京都では「分散化」の取り組みも

一方、人混みに悩まされている京都では京都市観光協会がビッグデータをもとに人工知能（ＡＩ）が混雑状況を予測してウェブで発信する「京都観光快適度マップ」の利用を呼びかけている。日時や当日予想される天気を選ぶと、市内７エリア１１カ所周辺の「観光快適度」を予測してくれるほか、現地のカメラ映像も無料動画サイトで流され、様子をリアルタイムに知ることができる。

マップは令和元年９月に導入してから段階的にエリアの拡大など機能を強化。今年１０月からは新たに外国人の位置情報ビックデータも活用し、混雑予測の精度を上げている。

同協会によるとアンケートに応じたマップ利用者のうち、半数が訪問日時や訪問先を変更したと回答したことから「訪問先の分散化につながっている」（京都市観光協会の担当者）とオーバーツーリズム対策への手応えを示す。さらに「行動変容につながらなかった観光客も、マップを通じ混雑を知ったうえで訪問すれば人出に対する不満は出づらい」とみている。（田村慶子）

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November 16, 2023 at 02:06PM
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