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東京の満員電車再来?「鉄道混雑」どう変わったか - ライブドアニュース - livedoor

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2020年度から3年連続で混雑率ワースト1位となった日暮里・舎人ライナー。写真の新型車は在来車より定員が増えている(記者撮影)

コロナ禍の影響によるダメージから脱却しつつある鉄道業界。2020・2021年度は行動制限などによる利用低迷に苦しんだものの、2022年度はJR上場4社、大手私鉄15社全社の営業損益が黒字回復した。一時期と比べ、通勤・通学などで日ごろ利用する電車が混み合うようになってきた――と感じる人も多いだろう。

国土交通省は7月14日、2022年度の都市鉄道の混雑率調査結果を公表した。3大都市圏主要路線の平均混雑率は、東京圏が2021年度比で15ポイント増の123%、名古屋圏が8ポイント増の118%、大阪圏が5ポイント増の109%と上昇し、通勤需要が戻りつつある状況が明らかになった。

ワースト1位は常連「舎人ライナー」

混雑率は、ラッシュピーク時の1時間に最も混雑する区間を通る列車の輸送力(車両編成数×本数)と輸送人員(乗客数)に基づいて算出される。今回国交省が公表したのは、全国のJR、私鉄、地下鉄、モノレールなどのうち236区間(同じ路線で複数区間を計測している場合もあるため路線数とは異なる)だ。

公表データを集計すると、混雑率ワースト1位は3年連続で東京都営の新交通システム、日暮里・舎人ライナーの赤土小学校前→西日暮里間で155%。2位は西日本鉄道貝塚線の名島→貝塚間で154%、3位はJR埼京線の板橋→池袋間で149%、4位はJR武蔵野線の東浦和→南浦和間で148%。ここまでの顔ぶれは2021年度と同じだが、5位は前回25位だったJR京浜東北線の川口→赤羽間が混雑率118%から142%に上昇してランクインした。

1位の日暮里・舎人ライナーは、ゴムタイヤ式の小型車両5両編成が走る路線。コロナ禍以前からラッシュ時の混雑が激しく、過去には混雑率189%を記録している。設備の制約で増発や車両増結が難しい中、交通局は定員の多い新型車両の投入を進めており、輸送力は2021年度に比べて51人分増えた。一方で輸送人員は約570人増加し、混雑率は9ポイント上昇した。

2位の西鉄貝塚線もワースト上位の常連だ。福岡市郊外を走る約11kmの短い路線だが、以前から首都圏以外では有数の混雑路線。列車は2両編成で輸送力には変化がなく、利用者増がそのまま混雑率の上昇につながった。

この上位2路線のように輸送力の小さい路線は、わずかな利用者数の増減で混雑率が大きく変化する。2021年度は151位で今回8位となった広島電鉄2号線(東高須→広電西広島)は、輸送力が2550人分から2250人分へ減少した一方で輸送人員は約900人増え、混雑率は87%から140%へと大幅に上がった。

利用者増1位は有楽町線

3位の埼京線、4位の武蔵野線は輸送人員がそれぞれ4910人、1750人増加し、輸送力に変化がないことから混雑率が上昇した。2021年度比で輸送人員が3000人以上増えたのは22区間あり、最も増加したのは東京メトロ有楽町線(東池袋→護国寺)の1万2767人。次いで東西線(高田馬場→早稲田)の1万0015人、副都心線(要町→池袋)の9195人と、東京の地下鉄3路線がトップ3を占めた。22区間のうち20は都内の路線で、首都圏の通勤利用回復が進んでいることがうかがえる。


一方、2021年度の25位から5位に浮上した京浜東北線の川口→赤羽間は、利用回復だけでなく輸送力の減少も混雑率上昇の原因となっている。同線は2022年3月のダイヤ改正で、朝通勤時間帯の大船方面行きを1時間当たり最大25本から23本に削減。輸送力が2960人分減ったのに対して輸送人員は4690人増えたため、混雑率は2021年度の118%から142%へと悪化した。

コロナ禍による利用低迷を受けて運転本数や編成両数を減らすなど、輸送力を削減した路線は少なくない。データを集計すると、2021年度比で輸送力が2000人分以上減ったのは計19区間。最も大きく削減したのは常磐線快速(三河島→日暮里)で、1時間当たりの本数が19本から15本となり、輸送力は8048人分減った。


再び混雑するようになってきた通勤電車だが、それでもコロナ前と比べると輸送人員は大幅に減っている。2019年度のデータと比較すると、ラッシュピーク時1時間当たりの輸送人員が1万人以上減少したのは37区間。最も減ったのはかつて混雑率ワースト5の常連だったJR総武線各駅停車の錦糸町→両国間で、7万4820人から4万6860人へと約2万8000人減少した。輸送力も約1500人分削減されたが、それでも混雑率は194%から127%へと大幅に下落した。

殺人的ラッシュ再来は誰も望まない

2023年度も鉄道の利用回復は進んでいるが、都市鉄道の屋台骨といえる定期客の回復については、コロナ前の8〜9割程度止まりと見込む会社が大半だ。一方で、レジャー利用や定期券を使わない通勤者の増加などで、定期外客については以前に近い、または同レベルまで戻るとみる会社も多い。

定期客がかつての水準に戻らなければ全体の輸送人員は以前より減るが、収入の面では、割引運賃でない定期外客の回復が進めばその分を一定程度カバーできる。例えば東急電鉄は2023年度の定期客数をコロナ前の2019年度比でマイナス21.6%と見込むが、定期外客の回復と値上げにより、運賃収入は同年度比マイナス1.8%と、かつてとほぼ同水準を確保できるとの予想だ。

混み合う電車の再来だけが、鉄道の「コロナ禍からの復活」につながるわけではない。以前のような、利用者も鉄道会社も疲弊するばかりの殺人的ラッシュに戻ることなく経営を維持できる体制づくりへ、新たな都市鉄道の姿を描く時代がやってきている。


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(小佐野 景寿 : 東洋経済 記者)

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July 21, 2023 at 02:30AM
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