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リゾート地など海外では目にすることも多い「竹造建築」。木とは異なる表情が魅力の1つだ。竹は日本でも、日用品や家具などに使われてきたが、建築物の構造材としての活用は前例がない。だが、新たな構造システムの開発によって、竹造建築の誕生が日本でも現実味を帯びてきた。
竹造建築の実現に挑むのは、日建ハウジングシステム(東京・文京)。竹集成材構造の性能評価書を取得し、具体的な建設に向けて自治体などに働きかけを進めている。同社によると、竹集成材構造による性能評価書の取得は国内初。実プロジェクトの実施が決まれば、建築基準法20条による国土交通大臣認定を受けることで、スムーズに建築できるという。
竹の強度はスギ材よりも高い。だが、竹は建基法37条で規定する指定建築材料でもなければ、JIS(日本産業規格)やJAS(日本農林規格)にも建材としての定義はない。さらに言えば、イネ科の植物なので、竹はいわゆる「草」である。
評価書が2023年3月に交付されるまで、竹が構造材になり得るとの立証に約2年間を費やした。その道のりがどのようなものだったのか、竹にどんな可能性、そして課題があるのかを開発者に聞いてみた。
事前に性能評価を受けてオファーに備える
「竹集成材構造プロジェクト」のスタートは21年。日建ハウジングシステム、鹿児島大学大学院理工学研究科鷹野敦研究室、ハフニアムアーキテクツ(川崎市)の3者で、構造システムの開発に向けた設計や、接合部の強度試験の実施など、共同研究を進めてきた。
「性能評価を受けてから、大臣認定を取得して建築確認申請を通すとなると、最低でも2~3年はかかる。発注が来たらすぐに建築できるように、モデルプロジェクトで評価書まで取得しておこうと考えた」。推進役の日建ハウジングシステム理事・設計部部長兼lid研究所l3デザイン室室長の古山明義氏は、こう説明する。
モデルプロジェクトは、地上1階建ての店舗を想定したもので、延べ面積は70m2。地元産の竹の活用に取り組む鹿児島県薩摩川内市内の市有地を敷地に設定した。構造材は、日用品や家具などで一般的に使われている竹集成材を活用する。
今回開発した竹集成材の構造システムは、1方向に高い強度を持つ竹の特性を生かしたのが特徴だ。集成材の原板は最大長さ約2m、厚さ約20mm。この20mm厚の竹集成材を2枚貼り合わせて加工した集成材を、柱や梁(はり)に使う。竹集成材の製造可能サイズの制約を考慮しながら、柱や梁を途中で継いで必要な長さにして構造的に持たせる必要があった。
具体的には、柱は40mm角の竹集成材4本を、隙間を設けながら束ねる組み柱とした。組み柱の継ぎ手には、十字形断面の部材を隙間に差し込む。梁は厚さ40mm、梁せい150mmの竹集成材3本で構成。組み柱の隙間に1本、組み柱の両側に2本配置して挟み込む。梁の継ぎ手には、2枚の竹集成材を隙間にかませる。さらに、建築物の四隅には厚さ28mmの構造用合板による耐力壁を設置する。
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July 28, 2023 at 03:00AM
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