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アルメニア、「タイプA」パビリオンを断念 デザイン決定後に異例の決断 建築家「残念」 - 産経ニュース

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〝幻〟となったアルメニアの「タイプA」パビリオンのイメージ=遠藤秀平建築研究所提供
アルメニア館の模型を手に説明する建築家の遠藤秀平さん=5月16日、大阪市北区

2025年大阪・関西万博へ独自に設計・建設する海外パビリオン「タイプA」の建設を予定していたアルメニアが出展を断念したことが分かった。建設業者とも決定し、すでに走り出していた中での異例の自前パビリオン撤退。デザインの構想もすでに固まっており、今月25日から開催される国際参加者会議(IPM)に合わせてパビリオンの概要を発表する方針だった。「完成に向けて全力で取り組んでいたのに」-。デザインを手掛けていた建築家の男性は肩を落とす。

「非常に残念で、気持ちの整理がまだつかない」。大阪市内に事務所を構える遠藤秀平さん(64)。大阪を拠点に国際的に活躍する遠藤さんは、今回初めて万博のパビリオンに挑戦することとなり、昨年11月にアルメニアと設計契約を締結していた。

建設資材の高騰などで建設業者の選定に苦労する中、今年5月末には建設業者も決定。同国にとっては今回の万博が初めての自前パビリオンとなり、まさに国の威信をかけた大掛かりなプロジェクトが始動していた。

関係者によると、準備を進めていた中、5月末に同国北部で洪水が発生した。復興への支援が必要となる中、万博への予算措置を講じることが困難となり、タイプAの断念を決定。建物の一部区画を借りる「タイプC」に移行する方針で協議を進めているという。

各国が意匠を凝らしたデザインは万博の目玉とされ期待感も大きく、アルメニア館もデザインを発表する方針で調整していた。遠藤さんによると、パビリオンは高さ約16・5メートルのアーチ状の屋根が特徴で、建物の素材には再利用可能な波形の建材・コルゲート鋼板を使用する方針だった。

屋根の形は旧約聖書でノアの箱舟が最後にたどり着いた場所とされる国境近くに位置する「アララト山」(トルコ)とアルメニア正教会の外観から着想を得たという。

屋根を高くすることで人々の視線が空に向かう構想にこだわり、「紛争が多い地域だったことを踏まえ、国境のない空が持つ平和へのメッセージを建物によって伝えたい」と意気込んでいた。

「未来の建築物を見せるのが万博のパビリオン。誰かの記憶に継承される建物をつくりたかった」と悔やんだ。

タイプAは資材価格の高騰や慢性的な人手不足などで希望する国が60カ国から現在51カ国まで減少。このうち11カ国は建設業者が決まっておらず、決定済みの8カ国でも未着工の状態が続いている。

アルメニアはタイプAの中でも最も小さい規模となる敷地面積900平方メートルでの建設を予定していたが、未着工の国の中にはこれよりも大きい国も含まれているとみられる。タイプAを実現できるのは30~40カ国程度との当初希望していた国の半数程度にとどまるとの観測もあり、今後断念する国の増加が懸念される。(清水更沙)

<独自>万博協会、「タイプA」パビリオン建設遅れの国に敷地返却を要求へ 各国の反発も

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June 24, 2024 at 06:04PM
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