赤坂地区から青山通りへ、メタモルフォーゼが止まらない街並みを歩く(前編)
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東京大改造をけん引する大型プロジェクトが都内各所で進行するなか、都心3区の一画、港区内でも大規模な再開発が活発化している。赤坂地区周辺は注目エリアの1つで、街並みを大きく変えるメタモルフォーゼが今まさに進行中だ。有名ビルの建て替え、高層複合タワーの建設、新たなニーズ創出を狙った実験的建築――。場所柄、国際的ビジネス基盤の競争力強化を図る国の特区制度などを活用した再開発も多い。東京メトロ溜池山王駅から外苑前駅まで、外堀通り・青山通り周辺で話題の現場や建物を眺めながら歩いた。
赤坂地区から青山通りへ、メタモルフォーゼが止まらない街並みを歩く散歩ルート
1:赤坂グリーンクロス
2:コマツ本社ビル
3:野村不動産溜池山王ビル
4:赤坂インターシティAIR
5:東京ワールドゲート赤坂
6:「赤坂二・六丁目地区開発計画」建設現場
7:ナインアワーズ赤坂スリープラボ
8:東急不動産赤坂ビル
9:鹿島本社ビル
10:とらや赤坂店
11:「赤坂七丁目2番地区第一種市街地再開発事業」建設現場
12:カナダ大使館
13:Honda青山ビル
14:ポーラ青山ビルディング
15:梅窓院
※散歩時間の目安:ノンストップでおよそ1時間半(取材時)。1~5は前編、6~9は中編、10~15は後編で紹介
港区の赤坂地区と言えば、近現代史で幾多の大事件の舞台となり、政治経済の中枢に近く、高級路線の飲食店も軒を連ねた“大人の街”。昭和時代を彩ったムード歌謡の名曲「コモエスタ赤坂」(筆者の意訳「最近どうよ?赤坂」)のメロディーを心の中で奏でつつ、筆者がこの地を歩いたのは2024年5月初旬だ。ゴールデンウイーク中日の気持ちよく晴れた平日だった。
スタート地点は東京メトロ溜池山王駅。7番出入り口から地上に上がると高層オフィスビル、「山王パークタワー」前の外堀通り沿いに出る。首相官邸や議員会館方面に至る道との交差点付近で、警戒に当たる警察官や青地に白帯の人員輸送車のものものしさは、この辺りの日常風景だ。外堀通りに面して左手に進めば溜池交差点、右手は赤坂見附交差点に至る。近隣では近年、国の特区制度などの後押しを受けた大規模再開発がまさに佳境で、有名ビルの建て替えや、区画整理を伴う新たなランドマーク整備の動きが目立つ。街並みのメタモルフォーゼが急速に進むこの辺りから歩き始めてみる。
山王パークタワー前の歩道から見て、外堀通り対向の正面にそそり立つのは24年5月1日に竣工したばかりの高層オフィスビル、赤坂グリーンクロス。以前は「国際赤坂ビル」(この建物に本社を置いていた大手商社にちなんで「日商岩井ビル」の通称で知られる)だった場所だ。積水ハウスと日本生命が「(仮称)赤坂二丁目計画」の事業名で再開発を進めてきた。
赤坂グリーンクロスは地下3階・地上28階建て。建物全体でのグリーン電力導入、「BELS」認証の5つ星や「ZEB Oriented」(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル・オリエンテッド)といった環境性能に加え、オフィス利用者の健康・安全性に関する国際的認証制度の評価水準も達成している。今どきの建築スペックを総ざらいで盛り込んだような新たなランドマークだ。
この建物の設計を担った日建設計は、23年12月にソフトバンクと、スマートビル建設のコンサルティングや設計支援などを展開する合弁会社SynapSpark(シナプスパーク、東京・港)を設立して注目を集めた。合弁会社は、AI(人工知能)を活用したビル環境の最適化技術を建物の設計段階から取り入れた「Autonomous(オートノマス)ビル」の建設を目指す。赤坂グリーンクロスは新事業の先駆例という役割も担っているようだ。
山王パークタワー前から虎ノ門方向に、そのまま少し歩くと溜池交差点だ。対向の角地に、大手建機メーカーのコマツが長く本社機能を置いていたコマツ本社ビルがある。大理石で仕上げた外壁や特徴的な六角形の開口部など、建築界でも有名だったビル(1966年竣工)は、2024年1月から26年9月の工期予定で建て替え工事が始まっている。建物は敷地全体で囲いに覆われていて、往時の姿は既に見えない(取材時)。地下2階・地上10階建て、延べ面積約2万m2で現代的な環境性能を備えた新たなビルに生まれ変わるという。
溜池交差点の横断歩道を虎ノ門方向に渡り、そのまま道路左側の歩道を少し進むと、外壁に木質構造体が垣間見える建物が立っている。23年10月に竣工した賃貸オフィスビル、野村不動産溜池山王ビルだ。
野村不動産溜池山王ビルは地下1階・地上9階・塔屋1階建て。さして大規模な建物ではないが、足元の歩道からは全体が見えにくい。外堀通りで1つ先の特許庁前交差点、あるいは手前の溜池交差点で横断歩道を渡り、対向の歩道から眺めた方が建物正面の全体がよく分かる。
同ビルは、設計・施工を清水建設が手掛けた鉄骨造・木造のハイブリッド構造。延べ面積は約5600m2で、オフィス基準階の中央部では執務スペースとして21m×18mの無柱空間を実現している。主要構造部に清水建設の木質ハイブリッド技術「シミズ ハイウッド」を採用し、鉄骨部材と組み合わせて使用。国土交通省の「サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されたプロジェクトであり、入退去時の可変性への対応といった建築的工夫も盛り込んだ建物だ。
野村不動産溜池山王ビル対向の歩道を溜池交差点まで戻り、交差点で左折。外堀通りに交わる六本木通りを六本木方向に入っていく。数十メートルで、17年9月にグランドオープンした高層複合タワー、赤坂インターシティAIRの足元に至る。
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June 14, 2024 at 03:00AM
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