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下町に溶け込む斬新な「三角形」 世界的建築家・妹島和世が「すみだ北斎美術館」で目指したこと - 読売新聞

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◆ すみだ北斎美術館

 斬新なデザインだが、雑多な建物が並ぶ下町に不思議と溶け込んでいる。葛飾北斎の人気だけでなく、建物自体も多くの来館者を呼び込む魅力の一つになっている。

 設計者は世界的に著名な建築家、妹島和世さん。西沢立衛さんとのユニット「SANAA」では、金沢21世紀美術館や仏ルーブル美術館の別館などを手がけてきた。2010年には、建築界のノーベル賞ともいわれる「プリツカー賞」を受賞している。

 こぢんまりとした民家や新しい高層マンションなど、大きさも作られた年代も異なる建物が交ざり合う場所で、妹島さんが目指したのは「街との調和」だ。特徴的な三角形(スリット)で分けられた建物は、「いくつかの大きさの塊が緩やかに集まったイメージ」でデザインしたという。

「周りの風景から、柔らかく影響を受ける建物を目指した」と話す妹島さん

 外壁のアルミパネルは、ぼんやりと空や地面を映しながら、周辺の風景に溶け込ませる工夫だ。一つの絵に色々な景色が描かれた北斎の特徴のように、アルミパネルにも様々な風景が映り込み、新たな絵を生み出す。「北斎の精神に通じれば」と話す。

 国宝も展示できる美術館として、作品に光を当てない閉じた構造でありつつ、地域の人に開かれた区立施設であるという、相反する課題も乗り越えている。スリットを生かし、館内の窓からは東京スカイツリーも見え、四方に開いた入り口は、来館者をどこからも受け入れる。

1階部分のスリット。光をふんだんに採り入れられる設計になっている

 「完成して終わりではない」。現在も足を運び、地元住民や来場者と建物をつなぐ方法を模索する。「地域の人が集まるほか、観光客が地域を知っていく拠点になってもらいたい」と期待を込める。(林理恵)
      ◇
 江戸時代から残る歴史的な建物や、現代的で斬新な建物が並ぶ東京。少し移動しただけで街の表情が変わる統一性のない街並みは、東京の魅力でもある。街を構成する名建築や不思議な建物を、関わる人々を通じて紹介する。(2020年7月9日、読売新聞都内版掲載)

 ◎すみだ北斎美術館
 落成年 2016年
 設計者 妹島和世
 所在地 墨田区亀沢2の7の2

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November 24, 2021 at 02:36PM
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