Search

重厚にして堅固! 妥協なき辰野金吾が生み出した「日本人建築家による最初の国家的近代建築」 - 読売新聞

japanes.prelol.com

◆ 日本銀行本店本館

 都会のビル群に囲まれたエリアに、明治時代そのままの重厚感を漂わせて静かにたたずむ。完成から125年。「日本人建築家による最初の国家的近代建築」には、今も見学者が絶えない。

 隅田川の永代橋付近で1882年に開業した日本銀行の初代本店が手狭だったため、現在の本店の場所に新築移転が計画された。日本近代建築界の先駆者である辰野金吾(1854~1919年)が設計を手がけ、6年の歳月をかけ完成した。

2階にある旧役員室には机や椅子など調度品も展示されている

 地上3階、地下1階の石積みレンガ造りの柱や壁には、辰野が留学中に学んだ古典主義の装飾がちりばめられている。古代ギリシャ建築様式の柱が並ぶ中庭には馬の水飲み場が残り、2階まで吹き抜けの待合スペースには当時、ガラス屋根から柔らかな自然光が降り注いでいたという。

 中央銀行としての堅固さも兼ね備える。1923年の関東大震災では火災により一部は損傷したものの倒壊はせず、地下金庫もほぼ無傷だった。鉄筋も鉄骨も使わず、石とレンガを積み上げて厚さ2・6メートルのコンクリートの基盤に建物全体を載せるという強固な造り。企画役で見学担当の川村憲章さん(54)は「大震災後も1営業日も休まずに業務を続けられたのは、辰野が頑丈な建物を造ってくれたおかげ」と語る。

 2016年から2年9か月かけて大規模な免震化工事が行われ、災害への備えが強化された。工事に携わった建築技師の伊藤稔さん(57)は「土台部分を事前調査したが、損傷箇所はほとんどなかった。辰野がいかに妥協せずに施工を進めたかの表れだ」と話す。地上部分は今も現役で、一部の部署が執務室や会議室として使っている。

厚さ90センチ、総重量は25トンにも及ぶ地下金庫の扉について説明する伊藤さん。地下金庫は2004年まで使われていた

 新型コロナウイルス禍の今、オンライン見学「おうちで、にちぎん」も好評で、自宅にいながら国の重要文化財の内部を探索できる。(石浜友理)(2021年10月16日、読売新聞都民版掲載)

 ◎日本銀行本店本館
 落成年 1896年
 設計者 辰野金吾
 所在地 中央区日本橋本石町2の1の1

Adblock test (Why?)



"建築" - Google ニュース
November 24, 2021 at 05:13PM
https://ift.tt/311JusU

重厚にして堅固! 妥協なき辰野金吾が生み出した「日本人建築家による最初の国家的近代建築」 - 読売新聞
"建築" - Google ニュース
https://ift.tt/2ZpUL0T
Mesir News Info
Israel News info
Taiwan News Info
Vietnam News and Info
Japan News and Info Update
https://ift.tt/2xBHb0S

Bagikan Berita Ini

0 Response to "重厚にして堅固! 妥協なき辰野金吾が生み出した「日本人建築家による最初の国家的近代建築」 - 読売新聞"

コメントを投稿

Powered by Blogger.