来店時期が分散している歳暮コーナー＝金沢市内の百貨店
石川県内の百貨店で、歳暮商戦のピーク分散が進んでいる。例年は１１月下旬に混雑のピークをいったん迎えるが、今秋は人混みを避けて来店時期を前倒ししたり、インターネットで申し込んだりする動きが目立ち、行列はほぼ見られない。新型コロナの感染状況が落ち着く中、香林坊大和と金沢エムザともに売り上げは前年並みを確保しており、終盤戦に向けて実績の上積みを目指す。
香林坊大和は２６日、早期注文で割り引きが受けられる「早割」の注文締め切りを迎えた。「増員して対応する準備はしていたが、少し拍子抜けだ」。担当者が語るように、カウンターの順番待ちは数人程度で例年になく落ち着いた雰囲気だった。
ただ、来店時期が分散しただけで歳暮の売れ行き自体は堅調となっており、インターネットからの注文も前年比で１０％伸びた。贈答用のほか、自宅用に商品を買い求める人も見られる。
担当者は「混雑を避け、前倒しで注文するお客さまが目立つ。いつもより静かなピークを迎えているが、店頭でじっくりと品定めができる」と前向きに受け止めている。
早割の注文締め切りを３０日に控える金沢エムザでは２７日午前、歳暮売り場で最大２０分の順番待ちとなった。それでも、待ち時間はコロナ前のピーク時の半分以下で、同館の担当者は「来店時期の分散が顕著になっており、できるだけ待ち時間を短縮したい」と話した。
●かぶらずし根強い人気
両館のギフトをみると、金沢の冬の味覚「かぶらずし」が根強い人気となっている。
香林坊大和は８社のかぶらずしをそろえ、切った状態で包装してあるものや、ブリではなくサーモンを挟んだ商品などを並べる。佃食品は通常１０日間ほどの賞味期限を、独自開発した包装材で２６日間に延ばした。
金沢エムザは地元名店の品を集めた「百万石の味」ギフトの全国送料を一律３３０円とするサービスを実施している。クール配送も同一金額で送れるため、かぶらずしの注文が目立つ。地酒や福梅といった地元銘菓の売れ行きも好調となっている。
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November 28, 2021 at 03:00AM
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