「不要不急の外出自粛」を求められた東京都では、中心部・銀座は閑散。自宅で過ごすため、食料品を買ったり、DVDを借りたりする人の姿が目立った。

普段の休日は多くの買い物客や観光客でにぎわう東京・銀座では、百貨店の松屋銀座が休業したほか、三越銀座店も通常より開店時間を遅らせた。付近の宝石店や時計店、高級衣料品店も軒並み臨時休業。買い物客はほとんどいなかった。

仕事で銀座を訪れた埼玉県草加市の60代の女性は、三越銀座店に立ち寄り「毎週銀座に来るが、今日はびっくりするくらい人が少ない」と驚いた様子。「仕事が終わればすぐ帰る予定です」と話した。店内の客はまばらで、買い物を済ませ足早に帰る人もいた。手持ち無沙汰な様子の従業員の姿も見られた。

スーパーは多くの店が通常通り開店。中野区の「サミットストア東中野店」には午前9時の開店前に約50人が並び、カップ麺などを買い求めた。客が集中することを防ぎ食料品を安定して販売するため、サミットやライフコーポレーションはチラシ配布を中止した。

新宿区のレンタルショップには、午前9時の開店と同時にマスク姿の客が続々と訪れ、週末に自宅で見るためのDVDを借りていた。世田谷区の会社員真鍋裕一郎さん(51)は最新の洋画をレンタル。「地震や津波と同じような有事が起きているので、自粛は従うべきだ。もっと長期間厳重な態勢で臨んでもいいのではないか」と話した。

劇場版アニメを借りたという近所の40代男性会社員は「自粛要請があるし、ウイルスが広がると困るので仕方なく自宅にいて見ることにする」と困惑していた。(共同)