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実施設計図書の概要:建築製図の基礎知識5 - Tech Note(テックノート)

建築製図の基礎知識

更新日:2020年3月31日(初回投稿)
著者:日本文理大学 工学部 建築学科 教授 西村 謙司

前回は、建築設計のプロセスを確認し、基本設計に必要な図面について解説しました。今回は、実施設計に必要な情報をまとめたものとして実施設計図書を説明します。また、実施設計図書における意匠図・構造図・設備図に関して詳しく紹介していきます。

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1. 実施設計図書

実施設計は、建築物の見積を取り、建築主と合意形成の後、建設会社へ工事の発注を行うのに必要な図面をそろえることを目的として行われます。その際に必要な図面をまとめたものを実施設計図書といいます。実施設計では、表1に示すような図面や書類が必要になります。

表1:実施設計図書

表1:実施設計図書

2. 意匠図

意匠図(いしょうず)とは、建築物の全体構成や平面・断面計画、空間構成、意匠などを明示することを目的とした図面です。実施設計では、意匠図の他、構造図、設備図が作成され、それらを総合して実施設計図書をまとめていきます。特に、意匠図を担当する設計者は、建築主、構造・設備技術者、施工者と協議し、建築物の設計プロセスや全体構成を総合的にまとめていく役割を担います。そのため、意匠図は、建築物を全体的かつ総合的にまとめていく内容の情報をもとに作成されます。以下では、意匠図の主要図面について解説します(表2)。

表2:意匠図

表2:意匠図

・矩計図(かなばかりず、くけいず)

矩計図は、建築物の外壁に当たる部分を切断して、その基礎から屋根、軒先までの詳細を確認するための部分的な断面詳細図です。外壁の形状と寸法、材料が図示され、基礎・床・屋根や外壁周りを構成する部材の納まりを明示するための図面です。該当建築物の防水、断熱、遮音、換気に対する設計者の工夫具合を確認することができます。また、縮尺は、1/10から1/50程度の尺度が用いられます。

・展開図

展開図は、建築物を構成する各居室の内部を表現する図面です。居室の中心に立ち、そこから見た姿図が描かれます。居室の平面形状が四角形の場合は、4つの図面が作図されます。展開図を見ることによって、居室の内観を確認することができるため、該当建築物の生活者にとって最も身近なインテリアを設計する際に重要な図面になります。

・詳細図

実施設計においては、建築物の仕上げや納まりの確認が必要になります。そのため、平面図、断面図の詳細図を作成するとともに、建築物の開口部周りなど、納まりをしっかり考える必要がある部分に関しては部分詳細図を描きます。詳細図には、建築物を構成する個々の部材の具体的形状・寸法、材料が明示され、建設費の見積もりをとることができる程度の内容にまで書き込みが施されます。詳細図が仕上がると、実際に建てられる建築物のイメージもスケール感や素材感を伴ってリアルに想像できるようになります。

・建具表

建具表は、建築物の開口部に用いる建具をまとめてリスト表示したものです。ドアや窓、扉などの建具の形状、寸法、材質、開閉方法、仕様などを表記するとともに、建具の使用場所、数量を確認できるキープランを付して作成します。建具は建築物のなかでも住み手が実際に手に触れる部分となり、使用者にとって室内を構成する重要な部分となるのでしっかり検討して製図する必要があります。

3. 構造図

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 設備図

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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