ハロウィンの「イベント会場」から渋谷は抜け出せるか始まった ... - 東京新聞

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　31日のハロウィーンを前に、渋谷駅周辺での混雑を緩和しようと、東京都渋谷区が警戒を強めている。新型コロナウイルス禍の行動制限が緩和された今年、インバウンド（訪日客）の増加で、駅周辺での路上飲酒の深刻化が懸念されるためだ。27日夕から路上飲酒が区条例で禁止された、シブヤの街を歩いた。

ハロウィーンで集まらないように呼びかける掲示が出された渋谷センター街＝27日夜

◆「人が来すぎるのは良くない」

　「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」。区が渋谷駅前に設けた大きな看板の前を、多くの若者や外国人が行き交う。センター街では路上で飲酒する人が多く集まり、ゴミの散乱や騒音が問題になっている。午後6時、路上飲酒の禁止が始まっても、コンビニの前などで飲酒する姿が見られた。

渋谷駅周辺に掲出されたハロウィーンイベント対策やマナー啓発のフラッグ＝27日

　ビールを飲んでいた20代の日本人男性は「路上飲みは渋谷の文化。飲むなと言われたらやめるが、行政が介入しすぎると、街の開放的ないい部分が薄れないか」と漏らした。条例を知らなかったというオランダ人の男性は「コンビニで買って飲めば経済的だし便利なのに」と嘆く。

　スクランブル交差点前で記念撮影していた米国人のアイバン・エバンさん（30）とザイナル・ブクスさん（26）は「区が来ないでと呼びかけるニュースを見た。人が来すぎるのは良くないので理解できる」。ハロウィーンには渋谷に来ないという。

　区は今年のハロウィーンにコロナ禍前と同等か、それ以上の人が街を訪れると想定する。センター街周辺では9月以降、路上飲酒について注意喚起を強めたが、警備員がいなくなると飲み始めるグループも。

渋谷駅周辺に掲示されたハロウィーンイベント対策のフラッグ＝27日

　路上飲酒禁止は11月1日朝まで。区は民間の警備員を計300人配置し、昨年の倍以上の計150人の区職員が巡回する。忠犬ハチ公像も、人が立ち止まらないよう覆われて見えない。

　渋谷センター商店街振興組合の鈴木達治理事長は、ハロウィーン時期は混雑で営業できず、閉める店もあると説明。「飲酒できないと発信しても、認識のない外国人が多い。条例に罰則を盛り込むなど強い姿勢を」と訴えた。（中村真暁）