「市民スポーツの聖地に」等々力球場、完成式典 - 東京新聞

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テープカットをして新球場の完成を祝う福田紀彦市長（中）ら

　今月から利用が始まった等々力球場（川崎市中原区）の完成記念式典が１９日開かれ、市内の野球関係者や地元住民ら約４０人が出席した。真新しい人工芝のフィールド内でテープカットが行われ、新たな市民スポーツ拠点の誕生を祝った。（安藤恭子）

　式典は十日の予定が、台風１４号の影響で延期されていた。主催者を代表し、福田紀彦市長が「野球関係者の思いが詰まった球場。等々力が川崎市民のスポーツの聖地となる」とあいさつ。川崎野球協会の川島哲男会長も「多くの市民が野球を楽しむ場所となる。子どもたちが技を磨いて羽ばたいてほしい」と願った。

災害時には救援物資の集積場に転用される屋内ブルペン＝いずれも中原区の等々力球場で

　この日は内覧会もあり、選手ロッカー室や屋内野球練習場、外野席下に設けられた交流施設「等々力老人いこいの家」を関係者が見て回った。旧球場よりもフィールドの向きをずらすことで選手が太陽を背に守れるようにした工夫や、災害時には消防車両の活動拠点や救援物資の集積場となる役割を市職員が説明した。

　同球場は地上三階建て、両翼百メートル、センター百二十二メートルで県内最大級。総工費は約八十九億円。収容人数は九千二百七十九人と旧球場よりも約五千人増えた。高校野球の県予選や社会人野球の試合が見込まれるほか一回二時間以内、一万一千五百円で市民も利用できる。二〇一六年に着工したが、調査中に廃棄プラスチックが混ざった土が見つかったほか、軟弱地盤も発覚し完成が遅れていた。