建築と社会つなぐ存在に対談・若山滋×妹島和世 - 中日新聞

japanes.prelol.com

建築家の教育や役割について語り合う若山さん（左）と妹島さん（右）

　世界的に活躍する建築家・妹島和世（せじまかずよ）さんと、名古屋工業大名誉教授の建築家・若山滋（しげる）さんが十七日、愛知県清須市の同市はるひ美術館で対談した。建築家の教育や役割といった視点から、建築の未来を語り合った。　（宮崎正嗣、高野正憲）

　妹島さんは金沢２１世紀美術館など透明感のある作風で知られ、二〇一〇年には建築界のノーベル賞ともいわれる「プリツカー賞」を受賞。建築家・西沢立衛さんと設計事務所「ＳＡＮＡＡ」を共同で運営し、世界各地でプロジェクトを手掛ける。若山さんは建築家だけでなく、文筆家としても活躍。若山さんの設計である同美術館では現在、回顧展「物語としての建築」が開かれている。

　建築家をどう育てるかというテーマについて、二人は設計事務所と大学という立場からそれぞれ考えを語った。妹島さんは「事務所では“私のために育ってほしい”というイメージに近い。けれど育ったらみんなやめてしまう。ある意味で競争でもある」と明かし、大学との「育て方」の違いを説明した。

　若山さんは長年大学教育に携わってきた経験を踏まえ、「研究室では学生も私が頼まれた仕事に参加したり、都市プロジェクトを一緒に立案...

中日新聞読者の方は、無料の会員登録で、この記事の続きが読めます。

※中日新聞読者には、中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井の定期読者が含まれます。